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「気になりますね!通信制高校」
150人に聞いた通信制高校のあれこれ②
小中不登校だったけど大学生になりました

 2024年11月29日
 

◇◇150人に聞いた通信制高校のあれこれ(4回連載)
第2回 小中不登校だったけど大学生になりました

◎小5から中3まで不登校でした【体験談】
サポート校(提携通信制高校)卒業 国立大学3年生 RHさん

小5のときに突然学校に行けなくなりました。というか、朝起きられない、昼も起きられない、夕方起きるみたいな、そんな生活になりました。そうするともう学校も行けないので、そういうのを中3までの5年間ずっと続けたんです。

起立性調節障害も調べてみたんですけど、健康体で。カウンセラーの方から燃え尽き症候群と言われました。「頑張り過ぎちゃったね」みたいな言葉をかけられました。

中学受験をしたくて小3くらいからすごい進みの早い塾に通っていました。夜中の12時ぐらいまで宿題をやらないと終わらない生活で、突然それが小5でできなくなった感じです。

しんど過ぎたのかあまり記憶がないんですけど、多分、受験勉強は自分の意志でやっていたんだろうと思っています。
行けなくなって学校の先生や両親から「どうしたの?頑張ってたじゃん」と言われて…。私も頑張りたいよ!でも、どうして頑張れないのか分からなかったです。

今考えると長いですよね。小5からなので、10歳ぐらいから15歳まで。
その間は何をしてたんでしょう…。
寝てる、ゲームをしてる、父親と母親に会わないように…。会ったら気まずいじゃないですか。

小5のときは親とひたすらケンカする1年間。小6は諦められる。その後の中1、2、3も諦められ、かつ、ご飯だけ食べるみたいな。あとは大体ゲームしてました。そんな生活でした…。
皆さんが想像されるひきこもりを体現して生きてきたかなと思います。

中学は、行けるところで中学受験して私立に行ったんですけど、やっぱり通えなくて、行ったのは年に3~4日ぐらいでした。
ほとんど自宅で過ごしましたが、中3の後半になってから私立中でしたが住んでいる市のフリースクールに通ってもいいよと言われて週3ぐらいで行っていました。

高校進学となって、当然ながら出席日数は足りないし、全日制は難しいということで通信制高校を探し始めました。
高校進学の段階で自分から変わろうという気持ちがあったらよかったんですけど、もう諦めていて、自分で自分のことを。どうせ変わらないだろうなって思っていました。

父と母が頑張ってくれたんですけど、進学先を3校ぐらいに絞ることができました。通信だけどめちゃ通う学校、美容師さんとかメークアップコースとかがあるステキな学校、あと、私が入ったサポート校。その3校を見学に行きました。

見学に行ってみて、先生や先輩とかの雰囲気を見ていました。体力的にも、気持ち的にも、頑張れば行けそうだなと思ったところは逆にやめました。そのなかで、入学したサポート校の先生から「会話しないでもいいよ」と言われました。

入学したサポート校は義務がほぼ発生しないところでした。人と話すとか、イベントに参加するとか、そういう権利はあってもやらなきゃいけないという義務が少ないところがいいところだと思ったので決めました。

でも、入学してからガラッと変わりました。「やらなくていいよ」って言われると、逆にやってみたくなるタイプなので。
「イベントに参加してみない?やらなくてもいいけど」と言われると、「やらなくてもいいなら、ちょっとやってみようかな」って。ちょっとずつ参加できるようになっていった感じです。


◎楽しく過ごせた受験生時代【体験談】

中学受験してたこともあって、何となく大学には行きたいと思ってたんですけど、私なんかが行けるわけがないと思っていて。でも、ちょっとずつ体力が付いてきたから行けるかなって感じも出てきて志望大学を探しました。
入学当初は階段1段上がったら疲れてました。

高2になって「就職するか、専門学校に行くか、大学に行くか決めなきゃいけないよ」と夏ぐらいから言われていました。返事はぼやぼやと「分からないですね。楽しいところ」とか言ってたんですけど、高2の冬に突然、近いところがいいと頭に浮かび大学を決めました。

場所と、生物がずっと好きで理系に行きたかったんですけど、学費の問題もあり国公立に行かなければいけない、もしくは大学に行けないぞと言われて、頑張って近い国立大に志望を決めました。

いつの間にか、受験生のころはすごく頑張っていました。
私は国立大・理系というゴリゴリ強そうみたいな大学を、しかも一般受験で受けたんですけど、小5から中3まで何の勉強もしてなくてめちゃくちゃブランクがあるなか1年半弱で全部埋めてくれました。

もう間に合わないって言ったんですけど、先生が1週間ごとに時間割を組んでくださって、私は1週間ごとの課題をひたすらこなすみたいな感じでした。私にとっては自転車操業でしたが、先生は大切にやってくれました。

私のサポート校は授業が一斉型ではなく1対1の個別なので、その分、自分のペースに合わせて、ここはできているから飛ばそうとか、短縮しようとか、「ここはダメだね2~3時間やろうか」みたいなのを自由にできたのがよかったと思います。

当時の記憶はあまりないと言うと、「大変過ぎたんじゃない?」と言われたこともあったんですが実は楽しくて…。
楽し過ぎて記憶がないという感じでした。1週間ごとの課題をひたすら続ける受験生を楽しく過ごせたんです。


◎時間をかけて実力を養う【解説】

時間をかけて社会で生きていく実力を付けた方が良い。私は、そんな考え方が強いです。
特に何かやりたいことを具体的に持たない人は、時間をかけていろいろな体験をした方が良いと思っています。その意味では大学や専門学校などで学ぶこと、経験すること、友人などと知り合うことはその後の生き方を豊かにしてくれるかてになってくれる場合が多いのではないでしょうか。



学びリンク通信制高校合同相談会で講演をしてもらってきた駿台教育研究所の吉井健二さんは、なぜ大学に行くのか? という問いにこう答えてくれました。「将来やりたいことがまだ具体的に決まっていない。それも立派な志望動機の一つです」。
私は、この言葉に深くうなずく者の一人です。志望校選びのこの機会が、将来自分に合う方向がどんなものか探る機会にも通じていると思います。そして大学4年間を右往左往することでやりたいことが見えて来る場合があるような気がします。


今回は、「小中不登校だったけど大学生になりました」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?
次回は、「2か月間で1年分をやり切った転入時期」についてご説明します。

次回もどうぞよろしくお願いします!