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「気になりますね!通信制高校」
150人に聞いた通信制高校のあれこれ③
2カ月間で1年分をやり切った転入時期

 2024年12月20日
 

◇◇150人に聞いた通信制高校のあれこれ(4回連載)
第3回 2カ月間で1年分をやり切った転入時期

◎友だちから「大学受験に強い」と言われて【体験談】
サポート校(提携通信制高校)卒業 私立大学3年生 HYさん

私は中高一貫校に通っていました。勉強が厳しい学校でした。みんなが国公立大学に行くことを前提とした授業や宿題だったんです。私は進路を私立文系と決めていてだんだんと馴染めなくなりました。それと、高校より大学のほうが大事かなと思っていました。

転入学しましたが、高校を辞めることは抵抗があったし中学受験はめっちゃ頑張って入った学校だったので辞めたくなかったんです。でも適応障害と起立性調節障害で朝に全然立てなくなって、このままだと学校に通うのもしんどいだけだし、辞めたほうが大学受験に近道なんじゃないかと思うようになりました。

もともと朝が弱かったので変だとは思っていなかったんです。高1になってからは親に引きずってもらわないと起き上がれない状態でした。
出席点を取らないといけないと思って、自分からお願いして朝は親に引きずってもらって起きていました。自転車通学だったんですけど、車で送ってもらって遅刻ギリギリでいつも行っていました。当時は成績が不安だったので、行かないといけないという気持ちのほうが勝っていました。
転入学した後に何かおかしいと思って病院に行って、血圧とか測って起立性調節障害ですよと言われて病気だと気付いたんです。

辞めるかどうか迷っていたときに、やはり病気で学校に来られなくなった友だちがサポート校に転学して、その友だちがそこは大学受験に強いよって教えてくれたことと、実際にその子が通ってすごく楽しいよって教えてくれたので見学に行きました。
友だちがいる安心感もあったし、見学に行ったときに大学受験指導に強みがあるという話を聞いてここにしようとなりました。

前の高校だったら週5で朝の8時半に学校に行かなきゃいけなかったのが、サポート校は自由だったので、月火木金のお昼ぐらいから行って、夕方まで自習したり、先生とおしゃべりしたりして朝がしんどくなくなるまでOKだったのがすごく楽になって通えるようになりました。

◎大泣きした!? 総合型選抜対策合宿【体験談】

高2の2月に転入学しました。前籍校でとれそうだった単位は全部消えてしまいました。だから2月から3月の2カ月間にめっちゃレポート書いて、高2の単位を取ったという感じです。

たいへんと言えばたいへんだったのですが、サポート校の先生が「いつまでに社会のレポート出さないといけないよ」とか「国語やばいよ」とか言ってくれるし、分からないときはチューターが付いてくれて教えてくれました。

大学入試は総合型選抜だったので評定が大事になります。実は通信制ならレポートをしっかり提出すればいい評定が付くよって言われたのも転学しようと思った動機の一つです。転入面談の際にレポートの量も教えてもらったのでこれなら行けそうな感じになりました。

総合型選抜は9月から本番で、9月10月が一番大変になります。なので7月から8月にめちゃめちゃ勉強しないといけなくて。転入学してゆっくりできたのは高3の3月から4月しかなかったです。

最初は大学受験をちょっとなめていて、たぶんどこか受かるだろうと思っていたんです。
卒業したサポート校には総合型選抜対策の合宿がありました。「合宿行ったほうがいいよ」と先生が勧めてくれるのですが…。私は行きたくなくて、ほぼ無理やり行かされたんですけど。行ったら行ったで、帰りたくて初日は大泣きして(笑)。いつも優しい先生が面接指導のときは怖いと思って、それも泣きました(笑)。

でも、最後の日には志望理由書がいい感じにまとまって、これから本番まで何をやらないといけないのかという現実をすごく思い知らされました。ぐうたらしてられないと思ってやっと火が付いた感じになりました。だからけっこう合宿はお勧めです。

それまでは志望大学も学部も何も決まっていなくて、普通の大学に行けたらいいみたいな気持ちでほとんど対策をしていませんでした。
合宿で自分のやばさにやっと気がついて、7月からは小論文の参考書を買って毎日小論文を8本書くとかやっていました。

大学進学できましたが、高校を辞めちゃったので大学も結構早くに辞めちゃうのかなって思っていました。どうせ辞めちゃうならお母さんたちに申し訳ないなと思って受かった後も悩みました。
転学してよかったと思っていますが、当時は親にお金をいっぱい使わせてしまったという罪悪感でめっちゃ辛かったのを覚えています。

でも大学は意外と楽しいし、ちゃんと勉強したら普通に単位が取れるので入ったら不安に思っていたことはなくなりました。
今は単位が取れればいいやじゃなくて、良い成績を取ろうと大学生活を続けています。

◎単位制で時間を短縮、延長できる【解説】

通信制高校は単位制という仕組みにより転入学の場合でも前籍高校で修得した単位は引き継げます。それまでの学習成果はむだになりません。

体験談の場合は、「2年生の2月」という時期に転入学をしています。つまり2年生の8割以上の時間が過ぎている段階です。
だったら、全部とまでは言わないけど単位の半分ぐらいはもらえるよね。と、思うのが人情ではないでしょうか?

ところがこの場合はゼロです。単位は分割できないことになっています。ゼロか満額かのいずれです。
ですから、この体験談の場合は約2カ月間で2年生分の単位を修得したという事例になります。具体的には履修単位数によりますが、かなりのレポート提出が必要になります。

単位制の場合は、学校にもよりますが体験談にあるように時間を短縮するように短期間で単位修得することもできます。
これは、逆のケースもあります。ほかの体験談で話してくれた卒業生の中には、自分の実力を付けたいからとあえて1年間は標準的な修得単位数(25単位程度)を半分にして4年間で高校卒業したという人もいます。こちらは時間を延長したようなことになるでしょうか。
また通信制高校のなかには、学校の取り組みとして通常より長い指導期間を設けた「5年制コース」を開講しているところもあります。


今回は、「2カ月間で1年分をやり切った転入時期」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?
次回は、「起立性調節障害だから無理のない環境を」についてご説明します。

次回もどうぞよろしくお願いします!