通信制コンシェルジュ「進路相談日記」90
いろいろ話を聞いたのですが、1校に絞り切れません…
2024年7月1日
-こんなご相談を受けました-
▶いろいろ話を聞いたのですが、1校に絞り切れません…①高校1年生の男子生徒のお母さま
②相談場面:合同相談会(神戸)にて相談
③進路選び経過:進路先が決まり次第、通信制高校への転校を考えているが、複数の学校の説明を聞き、どの学校が良いか判断できず、1校に絞り切れない。
▶相談内容詳細
※以下、ご相談者様を「相」、コンシェルジュを「コ」と表記
相:子どもはいま全日制高校に在籍していますが、いまの学校を続ける気はなく、転校先が決まり次第すぐにでもかわりたいと考えています。ただ、いくつか学校見学や説明会に参加したのですが、みんな特色が違いすぎで、どこがいいのかさっぱりわからなくなってきました。
コ:すでに複数の学校さんを見学されているのですね。おっしゃる通り、通信制高校は学校によって特色が様々ですので、混乱してしまうことはあるかもしれません。でも、たくさんお話を聞かれることで、違いがわかったり、見えてくるものもありますので、進路選びはかなり前へ進んでいると思いますよ。
相:そうなのですね。でも、最終的な1校が決められません。子どもも今の状態が長引くことを望んでいませんし、早く転校先を決めたいんです。
コ:お子さんとしても早く進路先を決めたいですよね。ちなみに、具体的にはどんなところで迷われているのでしょうか?
相:子どもの希望を整理すると、「通学は少ないほうがいい」「行事ごとにはあまり参加したくない」、でも「大学受験指導には力を入れてほしい」というのが大きなポイントになっています。ただ、お話を聞いた学校の特色がバラバラなんです。たとえば、ある学校は大学進学に力を入れているけどイベントも多いイメージ、ある学校は通学は少ないけど受験指導のイメージがあまり感じられない、といった感じです。
コ:なるほど、それぞれの要望が一致する学校がない状態なのですね。ちなみに、先ほど学校説明会に参加されたとのことでしたが、先生との個別相談はされましたか?
相:いえ、1対1のような個別相談はしていません。説明会は、先生が学校の特色を参加者に説明するようなかたちでした。
コ:そうですか。それでは、ぜひ次の段階として、個別に相談をしてみると良いと思います。と言いますのも、説明会では、学校側も特に強みとする特長に重きを置いてお話しているかもしれません。ただ、通信制高校も使い方によっては一つの特長だけではありませんので、そこで強調された部分だけが、その学校のすべてではないことがあります。
相:なるほど、それはたとえばどんなことでしょうか?
コ:はい、たとえば「私たちの学校は学校行事が豊富にあります」と説明があったとしても、それはあくまで一つの特色を伝えただけであって、参加自体は必須ではないかもしれません。また、通学を重視している学校であっても、それは「通学したい生徒」に向けたメッセージであって、別のところで通学をしない生徒に対するフォローもあるかもしれません。
相:つまり、同じ学校の中にもいろんなタイプがあるということですね。
コ:はい、その通りです。ですから、個別相談の中で「通学は少ないほうがいい」「行事はあまり参加したくない」「大学受験は力を入れていきたい」という条件で、先生と直接お話をしてみると良いと思います。その条件に対して、先生がどんな利用の仕方があるのかを具体的に提示してくれると思いますよ。
相:わかりました! それでは気になっている学校と直接相談をしてみようと思います。
▶お答えした学校選びのヒント
通信制高校は学校によって特色も様々ですので、学校選びの中では、複数の学校に見学されたり、説明を受けたりすることはとても大切なことです。自分に合った学校を探すためにも、たくさんの学校に話を聞き、それぞれの学校の特色、利用のパターンなどを知ることはとても重要です。
しかし、相談者の方のように、複数の学校を知ることで、絞り切れないという方もいらっしゃいます。ただ、通信制高校の特色の一つとして、同じ学校であっても、様々な「目的」「使い方」があることを知って頂けたらと思います。
通信制コンシェルジュを行っている中で、よくある誤解として、たとえば大学受験対応が手厚い学校に対して「うちの子は勉強が苦手だから合わないかも」と不安になられる方がいらっしゃいます。これは、おそらく同じ学力レベルで一斉授業を行うような全日制高校の進学校をイメージされているのではないかと思います。つまり、「その学校の生徒はみんな学力レベルが高くて、授業についていけないのでは?」という不安があるのかもしれません。
しかし、通信制高校は「使い方」次第で生徒個々の目的に合わせられる点が特長です。「進学する」「やりたいことを学ぶ」というのは個々の目的であり、その目的に合わせて様々なメニューが用意されています。
ですから、「大学受験に強い」というのは、それを目的とする生徒に合わせたメニューの一つであり、それ自体がその学校のすべてではありません。また受験指導も、学力別にクラス分けをしたり、少人数制や個別指導の中で個々のレベルに合わせた指導を行っていることが多いです。また、むしろ、この事例で言えば、「大学受験に強い」ということは「学習指導が手厚い」=「基礎からしっかり教えてくれる」と置き換えることもできます。
通信制高校は、いかに自分の目的に合わせて「使いこなしていくか」がポイントとなります。各校が強みとする特色だけにとらわれず、自分がどのようにその学校を利用していきたいのか、それに対して学校側がどのようなアプローチをしてくれるのか、といった視点で相談をしてみると良いかもしれません。
・・・いかがでしたか? 同じような状況のご相談、最近増えています。
進路選択の際に、参考にしてみてください(^-^)
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