通信制コンシェルジュ「進路相談日記」93
特定の大学付属高校を志望していて、それ以外なら通信制を考えています
2024年9月17日
-こんなご相談を受けました-
▶特定の大学付属高校を志望していて、それ以外なら通信制を考えています①中学3年生の女子生徒のお母さま
②相談場面:合同相談会(東京・八王子)にて相談
③進路選び経過:高校卒業後に進学したい大学が決まっており、高校はその大学の付属高校を希望している。ただ、それ以外の志望校を検討しておらず、第2候補としての進路情報を知っておきたい。
▶相談内容詳細
※以下、ご相談者様を「相」、コンシェルジュを「コ」と表記
相:子どもはすでに大学のことを考えていて、A大学に進学したいと言っているんです。そこで、近くにA大学の付属高校があるんですが、志望校はそこしか考えていないんですね。「行けなかったらどうするの?」と聞くと、「通信制でいい」と言うのですが、通信制高校もいろいろありますよね。そこで、どんな進路があるか相談したいんです。
コ:すでに志望大学が決まっているなんてすごいですね。A大学に行きたい理由は何なのですか?
相:大学で経営を学びたいと言っています。A大学は経営学が強いみたいで、付属高に行ってそのまま内部進学を考えているようです。
コ:中学3年生の時点で将来学びたいことが決まっているなんて素晴らしいですね。どんな進路になっても、その気持ちは大切にしてあげたいですね。
相:そうですね。でも、その高校も偏差値が高いですし、合格できる保証がありません。
コ:まず、いまの時点で「A大学に行きたい」という目標が明確ですから、進路選びの目的もはっきりしますね。シンプルに「A大学を目指せる」高校を探していきましょう。もし、通信制高校という選択になるのであれば、大学受験指導が手厚い学校を選んでいくことになります。でも、通信制高校もいろんな受験指導の仕方がありますから、そこはお子さんに合った学習スタイルを探して頂ければと思います。
相:でも、通信制高校からA大学に行けるのでしょうか?
コ:もちろん保証はないですが、仮に付属高校に行ったとしても、内部進学には一定のハードルがありますよね。別の見方をすると、付属高校は全日制の高校ですから、フルタイムの学校生活になります。一方で通信制高校は自由な時間がたくさんできますから、受験勉強に費やせる時間が全日制よりも圧倒的に多いですよ。また、A大学は私立ですから、受験科目数も限られるはずです。空いた時間をすべてその科目の勉強に注ぎ込めると考えれば、実は通信制高校のほうがメリットがあると考えることもできます。
相:たしかに、そう考えるとメリットが大きいですね。
コ:それから、通信制高校の中には、起業やマーケティングを学べる学校もありますよ。大学で学ぶような分野を先取りして教えてくれるところもあるんです。
相:え、そんな学校があるんですか?
コ:はい。または空いた時間を使って、ご自身で経営を学んだり、実際に起業にチャレンジしてみることだってできますよね。
相:たしかに、いろんな可能性がありますね。
コ:ですから、なにも「やりたい勉強は大学へ行ってから」と考えなくてもいいと思いますよ。お子さんの場合は、すでに将来学びたいことが決まっているわけですから、それを高校時代から学んでもいいですよね。早い段階から学んでいったら、さらに知識が増えて発想が広がったり、あるいは違う道を見つけるかもしれませんね。もしかしたら、志望大学もA大学から変わることもあるかもしれませんね。
相:そうですね。高校時代から好きなことを学べたらいいですよね。
コ:それから、そうした専門的な勉強を進めて実践を積んでいけますから、A大学を目指すにしても、推薦入試でそれがすごい強みになるはずです。
相:本当ですね! それでは、受験指導が手厚くて、本人のやりたいことに近いことが学べる学校を教えてもらえますか?
▶お答えした学校選びのヒント
上記の相談者の方のように、志望校がすでに決まっており「それ以外をまったく考えていない」という方が、まれにいらっしゃいます。
相談のポイントは、進学に対する「目的」と「手段」を整理していくことです。
上記の方の場合、進学の「目的」は「A大学に行くこと」であり、「付属高校に行くこと」は、「A大学に行く」という目的を達成するための「手段」でした。お話を聞く限りでは、志望する付属高校に対して、「A大学への内部進学」ということ以外に特別な進学理由が見当たりませんでした。すると、ご本人にとっては「A大学へ進学すること」がすべてですから、その目的を達成させるための手段には、特別こだわりがないと考えることもできます。
そこで、「A大学へ行く」ための手段は、内部進学だけでなく、様々なプロセスがあることをお伝えし、その上で、内部進学が持つメリット・デメリット、通信制高校を活用した場合のメリット・デメリットを整理してもらい、検討してもらうようにしました。
上記の相談事例では、通信制高校ならではのメリットとして、「受験勉強に費やす時間がたくさんあること」、「大学を先取りした専門的な勉強ができること」をお伝えしました。
また、上記ではお伝えしませんでしたが、たとえば「高卒認定試験(高認)」という道を使っても大学には進学できます。高認は必要科目を試験によって合格すれば得られる高卒と同等に扱われる資格です。通信制高校よりもさらに多くの自由な時間が得られます。高卒認定試験の受験者を対象とした予備校もあり、そうした予備校の多くは、大学受験指導を兼ねていることが多いです。
・・・いかがでしたか? 同じような状況のご相談、最近増えています。
進路選択の際に、参考にしてみてください(^-^)
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