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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』42
良い進路と悪い進路決めてしまう親

 2024年5月7日

 


学びリンク株式会社 カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことなどをこのコーナーでお伝えしています。

「全日制の高校を卒業していないと・・・」「このくらいのランクの大学を出ないと・・・」と考えている保護者の方は少なくありません。
まして「高校は卒業しておかないと・・・」となると人数はグッと増えるのではないかと思います。

学歴やどんな環境で学ぶかは確かにとても大事です。

では実際には「何が」大事なのでしょうか?

「学びの内容」だとすれば今は対面で学ぶ以上の学びを得る機会はいくらでもあります。学校に通っていないからこそ学力が高い子もいます。

「交流の場」だとすれば近所に住む同じ学年の子と一緒にいる時間も大事ですが、年齢や地域関係なく人のつながりを作ることが難しくないのが今の社会です。

「経験」だとしたら 自分に合っていない環境で「ダメだダメだ、、頑張れ」と言われ続ける環境が極端にその子を傷つけてしまうこともあります。

有名な大学、偏差値が高い大学に進学しても「何が」があやふやなままでは必ずしも良い進路を選んだとは言えないかもしれません。

前置きが長くなりましたが、
人生にはたくさんの選択肢があります。僕も「システムエンジニア」「警備員」「ガラス清掃員」「ビルの管理」「講師」「デザイン」 「キャンプ場の経営」「野菜の販売」「農業」「地域おこしの手伝い」「コンビニの店員」「どら焼き屋さん」「カウンセラー」「学校の先生」などをやってみました。

工学部の出身ですから関係があるのは
システムエンジニアくらいでしょうか?

それ以外の「何か?」は学校で学んだことではありません。
学歴を聞かれる職種は上記の中でも3つくらいでした。

改めて「何が?」大事かと考えてみると「○○高校卒業」「○○大学卒業」のようなものより大事なものはたくさんありますね。

親が仮に偏差値55くらいの進路が適当だと盲目的に考えているとお子さんは55を切った選択肢は選びにくくなります。「何が?」ではなく、このランクが大事ということになってしまうからです。そしてそれを下回ると「もうだめだ」「失敗した」と考えてしまうお子さんが少なくありません。他にもたくさんの選択肢があるのにそれが見えなくなってしまうからです。

これから子どもたちが出ていく社会はルールが流動的で、何が大事になるか?何が不要になるかわかりません。「○○大学」に所属していても「何が大事か?」がわかっていなければあまり意味がない社会になってくることが予想されます。そんな中で親が思う「成功」と「失敗」があまり にも現実と違えばお子さんはそれによって「自分は失敗したんだ」と意味なく傷ついてしまいます。

そうならないためには流動的な社会に対して「あなたはこっち側から攻めたらもしろ有利かもし れない」という会話ができる大人が多いことが大事だと感じます。