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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』43
頑張りすぎないこと

 2024年5月15日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

私たちはある点に集中してじっとみるとその対象物をしっかりとみることができます。

これを「中心視野」と呼びます。

逆に景色を見るように右も左も上も下も幅広く視界に収めて、どこを見るともなく見ることもできます。
眺めるような感じかもしれません。

これを「周辺視野」と呼びます。

球技や格闘技などをするときに「中心視野」で「ここから攻撃が来るかな?」と力を込めていると柔軟性を失い動きが固くなります。
「周辺視野」で「全体を見るとはなく見る(木を見ず、森を見る)」とリラックスして眺めることで臨機応変に対処することができるようになります。

私たちが悩んでいるときには

・不登校をまず解消しなくてはいけない
・今日は学校に行けるだろうか?
・解決方法をなんとしてでも探さないと

と「中心視野」的に視点が「不登校」「昼夜逆転」「学力低下」などに固定されてしまいます。
困ったことに頑張れば頑張るほど視野が狭く、気持ちも固くなっていきます。
「学校どうするの?」という点だけに集中しているのでそこを突破するしか方法がないかのようになります。

もし、「周辺視野」的に空を眺めたり、鳥を見つけたり、木々が揺れる際に風を感じたり、自分自身の中にあるモヤモヤに気づいたり、関係があるものないもの関係なく眺めることができると状況が変わってきます。その先に

・ゲームの話では本当に楽しそうに話をしてくれる
・ちょっとした時に手を貸してくれる
・そう言えば優しい面が良い子だったなとしみじみ思い出す

そんな手がかりを得る人も少なくありません。

頑張ることは時として大事ですが、「ゴール」と「やり方」が明確な時に選ぶと良い方法論です。
「どこに向かったら良いかわからない」「やり方が見えない」「気持ちが入らない」そんな時に闇雲に頑張っても無意味に疲れてしまうだけかもしれません。そういう時におすすめの時間の過ごし方があります。
それは「自分らしくないことをする」と決めて行動してみることです。

・絵を描いてみる ・資格の勉強をしてみる
・大声で歌ってみる ・部屋の掃除をしてみる
・人に何かを教えてみる

大事なのは「自分はそういうタイプじゃない」と思うことに挑戦することに意味があります。
「学校の問題を解決しないと」という固さが緩み、思いもよらないヒントや仲間を得ることができます。親子関係においても長年の親の長所と短所の組み合わせが影を落としている場合も少なくありません。それは親が悪いというよりはワンパターンが良くないというニュアンスです。もし、親が「自分らしくないこと」に挑戦し始めたら、お子さんの中でも何かが動き出すかもしれませんね。(動かすように固執して頑張るのは固くなるので本末転倒です。狙わずに固執せずに「自分らしくないこと」という新しい風を入れるのがおすすめです)