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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』47
話す内容に「皮肉」や「操作」を混ぜないこと

 2024年7月17日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

コミュニケーションにひねりを加えるのが好きな方がいます。

・「こうやってほのめかした」からこういう反応をしてくれた
・感謝の気持ちを言いながらも皮肉を混ぜて伝えた
・こういう言い方をすると相手を誘導することができる!

こんなことを普段からしている人は注意してください。

ある日、作戦として「この荷物運んじゃうから、ゆっくり待っていていいよ」といったら相手が荷物を運んでくれたとします。「待ってていいよ」と言って、荷物を運ばせたことになります。作戦としては成功かもしれませんが、コミュニケーションがひねられているのが問題です。

次の日、無自覚に「荷物運んじゃうから休んでて!」と言ったとします。聞き手はこれは暗に指示を出しているのか?本当に休んでていいのかがわからなくなります。問題なのはこの作戦を使う人は自覚している時には作戦としてひねっていますが、、、それでしてやったりと思っていますが、、、無自覚に同じフレーズを別の場面で使っているということです。

聞き手からみると同じセリフなのに
話し手が自覚している時には「荷物を運んで欲しい」という意味で
話し手が無自覚の時には「荷物を運ばなくていい」という意味になります。

これがどちらでも良いような場面ならば良いですが、判断を間違えると相手が機嫌悪くなるなどのリスクがあると尚更危険です。

聞き手は常に話し手が自覚をした操作を入れているか?無自覚かを判定しつつ会話をしなくてはなりません。その人との関わりかが多ければ多いほど、「ふう」ってため息をついたら「大丈夫?」と言わなければいけない場合と気にしてはいけない場合、、、のようなバリエーションが増えていきます。
話し手は自分自身のことですから正解をいつも知っていますが、それを読み取り続ける聞き手は大変です。そして疲弊してしまいます。

家族のこの手の話し方をする人がいるとお子さんは生き延びるために読み取る力を身につけます。そして、話し手がリラックスしている時でもどちらが正解かを分析し続けます。その子が不幸なのは家の外でであった先生やクラスメート、郵便屋さんにまでどちらが正解かをチェックし続けて1日を送っているということです。

メッセージはできるだけストレートに伝えるとオープンで人を信頼できる子が育ちます。
仮に「ダメだ」と言われたとしてもストレートなので何がダメかが明確に理解できるから必要以上に落ち込むことがありません。問題なのは裏があったりなかったりする話し方をする場合です。検証できないので常に「ダメかもしれない」と相手を悩ませることになります。気をつけたいですね。