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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』54
部屋の掃除はコミュニケーションのチャンス

 2024年12月20日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことなどをこのコーナーでお伝えしています。

お子さんが不登校の状態だと部屋の掃除がなかなか進まないことに悩む保護者の皆さんも多いのではないでしょうか。「部屋が散らかっていると落ち着かない」と思う親心とは裏腹に、子どもたちにとっては自分だけの空間が乱されることが非常にストレスに感じることもあります。掃除をするのですから整えるといえそうですがお子さんから見たら掃除をすることによって乱される感じにすらなります。
掃除のことで親子の関係がギクシャクしてしまうのはとても残念ですが、その一方で、掃除を通じて新しい信頼関係を築ける可能性もあります。

たとえば、ある家庭では「ペットボトルだけこの袋に入れて」と頼むことで、お子さんが自分で掃除を始めるきっかけになったという出来事があります。親が全て片付けてしまうのではなく「ペットボトルだけ」「これだけやってみてくれる?」といった具体的な指示で掃除を手伝ってもらうことにはたくさんのメリットが含まれているのです。

まず自分自身の手で部屋を整えているので「乱された」という感覚になりにくいメリットがあります。お子さんによっては「もう自分の部屋じゃない」と感じてしまう子もいますので自分自身で参加して掃除をすることにはメリットがあります。

2つ目は共同生活感が出ること。お子さんがお客様化をして、部屋の掃除はお母さんの仕事。と思ってしまわないためにも一緒に適度な量で共同作業をするのは大事です。大事なのは作業量や効率、やり方ではなく参加することです。つまらないノウハウを言ったり、ダメ出しをして共同作業から締め出してしまわないように気をつけたいですね。

3つ目はコミュニケーション。これをきっかけに会話をすることができれば、、、冗談が言えればなお良いですね。人と関わって一緒に何かをするのは楽しいな。という方向に少しでも近づけることができるチャンスにもなります。
お部屋の掃除と親子の良好な関係づくりをいっぺんにやるチャンスですのでぜひ計画してみてはいかがでしょうか?

また、保護者の皆さんが「部屋を片付けて欲しい」と思うのは、実は部屋の中身よりも、そこにいるお子さんの健康を心配するからかもしれません。梅雨の時期になると、ゴミが残った部屋ではカビが発生し、アレルギーの原因となることがあります。
しかし、お子さんの部屋は非常にプライベートな場所です。「親にチェックされる」と感じさせないように気をつけたいですね。