学びリンクで働く!元不登校・通信制高校卒業生のつぶやき
19:私なりの心・特性との向き合い方① 発達障がいと診断されたのは大学4年生
こんにちは。
学びリンク編集部で働いている、元不登校・通信制高校卒業生の柳野です。
このコラムでは、そんな私が通信制高校の専門出版社である「学びリンク」で働きながら感じたことを紹介します。
ここ最近、自分の病気や障害への捉え方に変化があったと気づく機会がありました。そのきっかけは、就労移行支援の会社から、就職活動の体験談を話す機会をいただいたからです。
そのお話をいただいた経緯は、「大学在学中の就職活動をきっかけに精神的な不調を感じたり、発達障害などの特性に悩んだりした体験談を伺い、大学等の学校のキャリアセンターとの連携を強化していきたい」とのことでした。
そして、私も、大学での就職活動を機に、心の不調を再発した一人だったからです。
これまでのコラムで話した通り、小・中学校で不登校を繰り返した中で、心の不調を感じ、精神科に通院している時がありました。気分に波があったり、夜に眠れなかったりと、自分ではどうすることもできなかったからです。
しかし、中学卒業後に、心に余裕を持って通える通信制高校に出会えたことによって、自然と心身ともに元気になり、通院も必要なくなりました。そして、自分の気分の波や疲労感に気づくようになり、徐々に自分をコントロールできるようになっていきました。
高校から大学に進み、授業にも毎回参加して、アルバイトもしてと、周りの人と変わらずに生活を送れている自分を「やっと、“普通”になれたんだ」と感じていました。
しかし、大学3年から就職活動が進むにつれ、心の違和感が大きくなり、結局、不登校だった時のように家から動けなくなりました。
約7年ぶりに精神科に受診したところ、こう言われました。
「幼少期からのこれまでの道のりや今の状態を見ると、発達障がいかもしれないよ」
これまで診断されたものとは別で、そう指摘されたことは初めてでした。でも、どこかでグレーなのではと感じることもありました。
そして検査をし、発達障がい(ADHD+ASD)と診断されました。それが、大学4年生の11月でした。いざ、はっきり診断が出るとショックで、ここ2年、なかなか気持ちの整理がつきませんでした。
でも、こうやって話せるくらい気持ちに整理がついたのは、学びリンクの合同相談会で、発達の特性があるお子さんを持つ多くの親御さんと出会ったのが大きいです。
親御さんA:普通級(通常学級)で理解が難しい教科は、通級(通級指導教室)で受けています。なので、個別か少人数の授業で、特性のある子に慣れている先生がいてほしいです。
親御さんB:診断は受けていますが、普通級で勉強はできて。ちょっと人間関係が苦手かなと思うくらいで…。そんなに発達の特性を気にしなくてもいいのかなと思っていて。
親御さんC:文字の読み書きが苦手で、勉強もなかなかです。でも、絵が好きで。好きなこと、得意なことを伸ばせるところを探しています。
このように、親御さんたちが診断されたことにとらわれずに、自分のお子さんができることと苦手なこと、どのくらいの濃淡なのかを把握して向き合っていることを実感しました。
そして、特性の捉え方を具体的に知れたことで、自分の特性とも、客観的に向き合えるようになっていきました。
では、なぜ、今、自分の特性をオープンにしたのか。それは、やっぱり、就職活動がつらかったからです。
そして、不登校の経験や心の不調、発達の特性がある学生が就職において気軽に相談できる場所が身近にあってほしかった、一般雇用と障がい者雇用どちらも検討できる就労支援移行を早く知っておけばよかったと思うからです。
今後は、これらの課題を一緒に考え、少しでも解消に寄与できるような取材をしていけたらと思います。